古いパソコンを処分する方法|費用は?
安全に捨てるにはどうすればいい?
2023.08.30(WED)
2023.08.30(WED)
古くて動かなくなったパソコン、新品を購入したのでもう使わなくなったパソコンなど「処分」したいパソコンが発生したらどうすれば良いのでしょう。そのまま燃えないゴミか粗大ゴミに出して良いのでしょうか。それはいけません。「パソコンをゴミとして扱ってはいけない」法律が日本にはあるからです。
目次
古いパソコンを処分するいくつかの方法
現在日本では、使用しなくなったパソコンの処分方法には大きくわけて3種類あります(フリマなどに出品する方法は除きます)。どの方法を選んでも、パソコンをゴミとしては扱わず、リサイクル対象や中古品として扱います。以下に詳しく説明します。
パソコンはゴミとして処分できない
パソコンは、1991年の資源有効利用促進法により、処分する場合はメーカーに回収とリサイクルが義務付けられるようになりました。回収したパソコンは、再資源化施設などで、データを破壊し、分解等の工程を経て再資源化されて、樹脂や金属として再利用されます。この促進法の対象となる物品は、デスクトップパソコン、ノートパソコン、パソコン用ディスプレイ(ブラウン管、液晶式)です。タブレットやスマートフォン、有機EL式ディスプレイは対象外となります。
パソコンをリサイクルに出す
パソコンのリサイクルは、その方法が定められています。一般的には、作業員の手によってボディ、基盤、コード・線材、バッテリー、などパーツごとに全て分解します。特に個人情報や機密情報が含まれる記憶媒体(ハードディスクなど)は徹底した管理のもと、すべてクラッシュボックスで機能破壊した後に、素材としてリサイクルします。
最終的には、鉄、ステンレス、鋼、アルミ、金、銀、プラスチックなどの再資源素材にします(そのまま部品として再利用する場合もあります)。2021年、回収された家庭用パソコンは1911トンあり、リサイクルによって資源になったのは1413トン、約74%が資源として生まれ変わりました。
中古パソコンの買取店に売る
使わなくなったパソコンを、中古パソコンとしてパソコン店舗や業者に売却する方法もあります。こうした売却先は民間の業者で、公的な機関は中古品の買取はしません。民間業者はインターネットで「パソコン買取」といったキーワードで検索すれば確認できます。業者によって買取の金額は異なりますし、パソコンを業者まで運ぶ方法も「業者まで持参」「宅配送付可能」「業者が出張する」などいろいろなので、希望にあった業者を選択しましょう。
中古品の売買を事業として行う場合、公安委員会に届けを出すことで得られる「古物商許可」が必要です。売却先の業者が許可を得ているかどうか、要チェックです。ホームページなどで古物商番号が記載されてあるか確認しましょう。また売却したパソコンのデータに関して買取業者が「データ消去します」など、情報に関する配慮があるほうが良いかもしれません。メーカーによっては自社パソコンであれば買取してくれる場合があります。メーカーなら安心ですから、こちらを利用するのも良い方法です。
新品パソコンの下取りに出す(買い替え)
メーカーや販売店によっては、新品パソコン購入時に今までのパソコンを下取りする場合があります。新品購入の特典なども期待できるので、ホームページや問い合わせ窓口で確認してみましょう。なおその時、下取りできるパソコンに制限がある場合もあるので、合わせて聞いてみましょう。
捨てられない!パソコンはリサイクルが必須
パソコンを処分するのは基本的にリサイクルするということです。ここではそのリサイクルに関する情報や方法を紹介します。
PCリサイクルマークがあれば無料
パソコンやディスプレイはリサイクルして処分することが法律で決定したため、そのリサイクル負担を明確にするため、2003(平成15)年10月以降に販売されたパソコン・ディスプレイ製品には「PCリサイクルマーク」が添付され、そのマークが貼ってある製品のリサイクルは基本無料です。それ以前の製品にはリサイクル費用がかかる場合があります。
マークは多くの場合、ノートパソコンなら裏面、デスクトップパソコンやディスプレイなら背面に貼られています。
パソコンは基本的にメーカーが引き取る
パソコンの回収は基本的にメーカーに依頼します。メーカー名を確認し、メーカー問い合わせ窓口に連絡して回収を申し込みます。この方法が基本ですが「小型家電リサイクル法」によって自治体が回収に努めてくれる場合もあります。指定箇所にパソコン等を持参すると、1000円〜2000円程度の引き取り料金で対応する自治体や家電量販店もあります。
また小型家電リサイクル法に基づく「国の認定事業者」なら安心して回収、リサイクルを依頼できます。これら事業者の中には、パソコンの無料回収サービスを行っているところもあります。
メーカーがない場合はパソコン3R推進協会へ依頼
メーカーがわからない、なくなってしまった、自作パソコンなどの「メーカー等不存在パソコン」は、一般社団法人パソコン3R推進協会が有償で対応してくれます。同協会のトップページの中程に「メーカー名が見当たらない場合」に詳しい情報が記載されており、基本的には、回収依頼> 費用振り込み> エコゆうパック伝票が届く> 梱包して送付 という段取りでリサイクルの依頼ができます。費用の目安として、デスクトップパソコン(本体)、ノートパソコン、液晶ディスプレイなどは1台、4400円(税込)です(振込手数料は別)。
一般社団法人パソコン3R推進協会のホームページ
https://www.pc3r.jp
モニターもリサイクルが必要
パソコン用のモニター(ディスプレイ)もリサイクルの対象です。そのまま粗大ゴミに出してはいけません。これはディスプレイ一体型のパソコンも同様です。ただし有機ELのディスプレイは、いまだリサイクル法の対象になっていないので、現状では自治体が対応する「粗大ゴミ」として廃棄することになります。自治体によって対応が異なりますので、有機ELディスプレイを処分、廃棄したい場合は、必ず地元自治体にお問合せください。現在は、環境省等で、有機ELディスプレイやテレビ等をリサイクル対象にすべきということで議論が進んでいるようです。
リサイクルできるもの、できないもの
リサイクル法の対象になっている物品は、デスクトップパソコン、ノートパソコン、パソコン用ディスプレイ(ブラウン管、液晶式)です。これら以外のキーボードやマウス、タブレットやスマートフォンなどは、小型家電リサイクル法の認定を受けた業者が回収やリサイクルに努めています。回収に関しては、自治体の回収ボックスに入れる、回収協力している大手量販家電店に持ち込む、認定の業者に依頼するなどの方法があります。
自治体の回収ボックスでは、どこか一辺が30cm以上の場合は、粗大ゴミ扱いになる場合があります。小型家電リサイクルの対象物品、認定事業者や協力の家電量販店についての情報は、一般社団法人小型家電リサイクル協会が詳しい情報を提供しています。
一般社団法人小型家電リサイクル協会
https://www.sweee.jp/
古いパソコンをリサイクルに出す手順
使わなくなったパソコンをリサイクルに出す場合の手順にはいろいろありますが、現在一番簡単で費用が少ない方法は、認定業者に送付することです。認定業者の中には、一般からの回収申込みを受け付けている業者があります。その場合、以下のような手順になります。業者によってはパソコンのデータ消去と消去証明書の発行も行います。
1. 業者のホームページから回収依頼(パソコンの台数、希望日時、住所等)を送信
2. 段ボールに回収してもらうパソコンを梱包する
3. 指定の日時・場所にて、宅配業者に段ボールを渡す
4. 回収処理が終わったらメールで連絡が来る
必要な経費は、段ボール代だけです。認定業者の場合は、同時にキーボードやマウスを送付できる場合もあります。認定業者を知りたい場合は、自治体に「パソコン回収」について問い合わせすると、自治体と提携した業者があれば紹介してくれます。
もちろんメーカーに依頼して、回収、リサイクルを依頼することも可能です。その場合は、メーカーの回収窓口に連絡し上記同様の手順で送付することができます(宅配業者ではなく、エコゆうパックになります)。ただしメーカーの場合は、パソコン本体、ディスプレイが基本です(一体型パソコンは含む)。マウスやキーボードは対象外です。
パソコンを処分するときの注意点
パソコンを処分する際に注意すべき点は「データの流出」です。自分でデータを消去する、業者にデータ破棄を依頼するなどは当然ですが、それでも漏れてしまう場合があるので注意が必要です。
データが流出するリスクがある!
パソコンを処分するとき、何もしないでそのまま送付するのは絶対にやめましょう。パソコンの中には、ユーザーの個人情報や、パスワードなど大切なデータが入っていたはずです。そうした貴重なデータを、自分が管轄できないところに放置するのは危険です。パソコン処分業者に送られたパソコンのハードディスクをこっそり抜き出して、データはそのままで中古品としてオンラインで販売したという事件もありました。
ハードディスク、SSDは初期化する
パソコン内のデータを保存するハードディスクやSSDといったストレージ(記憶装置)は、処分する前に初期化しましょう。初期化とはストレージが制作された最初の状態に戻すことです(工場出荷状態とも言います)。データは、ゴミ箱などに入れても、まだデータそのものは残っています。
ですからデータの痕跡を無くすには、初期化が有効です。Windowsの場合は「このPCを初期状態に戻す」、macOSの場合は「すべてのコンテンツと設定を消去」という手法を利用すれば初期化できます。
大切なデータは必ずバックアップ
もちろん初期化する前には、大切なデータはバックアップ(別途保存)しておきましょう。パソコンを処分のために送付してしまった場合、データを取り戻すことは難しいです。データのバックアップは、外部保存用のストレージなどが便利です。容量が1TB程度のストレージは1万円程度で購入できます。大事なデータを確実に保存できるなら、有益な投資でしょう。クラウド上のストレージなど、インターネット経由でも保存できますが、新しいパソコンがきた時、クラウドサービスのIDとパスワードを忘れてしまい、バックアップしたデータにアクセスできなくなるといったトラブルもありますので注意が必要です。
ブックマーク、パスワードを移行する
保存をわすれがちなのがウェブブラウザのブックマーク情報やパスワードです。Microsoft Edgeの場合は、ブックマークもパスワードもエクスポート(外部に出力)できますから、パソコンを処分する前にエクスポートしておきましょう。Google Chromeの場合は、Googleアカウントにパスワードやブックマークが連携されているはずなので、パソコンが新しくなっても問題なく以前のブックマークやパスワードを利用できます。
周辺機器は自治体のルールで処分できる
パソコンと一緒に利用するDVDドライブなどの光学ドライブ、キーボードやマウスといった周辺機器は、小型家電リサイクル法に則ってリサイクル処分しましょう。具体的には光学ドライブなどの小型家電は、市町村自治体の回収ボックスに入れる、大手家電量販店の回収サービスを利用する、認定業者に回収を依頼するなどの方法で処分すれば、そのままリサイクルに回してくれます。
粗大ゴミとして処分することも可能ですが、リサイクルすることで資源を有効に使えますから、積極的に小型家電リサイクル法に関連するサービスを利用しましょう。詳しくはお住まいの自治体に確認してください。回収ボックスの場所などを教えてくれます。「小型家電」「E-Waste」といった単語が目標です。
パソコンを売るときの注意点
パソコン処分で気になるのは「買取」です。買取してもらえれば、次のパソコンの購入資金になるかもしれません。ここでは買取の際の注意点を紹介します。
売れるパソコンは比較的新しいもの
パソコン買取サービスで、最初に留意したいのは「買い取ってもらえるパソコンは購入後3年程度のもの」ということです。つまり5年前、10年前などの古いパソコンは買取対象にほとんどなりません。パソコンは一般消費財ですので、骨董品として価値がつくものは少ないです。しっかり使えるかどうかが重要となりますので、古くて遅い、最近のアプリケーションが使えないパソコンは価値がつきません。特に技術の進歩は速く、5、10年前のスペックでは、OSをはじめ、最新のソフトウェアが快適に動作しないでしょう。ですから古いパソコンは買取の対象になりにくいのです。
売る前に動作確認をしておく
買取に応募する場合は、事前に買取して欲しいパソコンが動作するかしっかり確認しておきましょう。最低限、起動するかどうかは確認しておきましょう。電源ケーブルの接触不良、ノートパソコンのバッテリー不足など、買取交渉を行う時に「起動しない」では有利な条件で交渉はできません。特にノートパソコンの場合は、内蔵バッテリーでしっかり動作するかどうかは重要なチェック項目です。他にもウェブブラウザを開いてサイトにアクセスしてみる、オフィスソフトを使うなどの操作がスムーズにできるか確認したほうがいいでしょう。
Windowsを初期状態にする
Windowsパソコンを買取に出す場合は、できればデータの初期化ではなく、リカバリディスクを利用してWindowsを初期状態にしておいた方が良いでしょう。Windowsは利用していると、たくさんの作業の痕跡、追加したアプリケーションの設定ファイルなどが溜まって、動作が遅くなりがちです。こうした状態をリフレッシュして、購入した時の俊敏な状態に戻すのです。
単なるデータの初期化だけではダメで、購入後に加えられた変更をすべてクリアする「リカバリディスクにより初期化」が有効です。リカバリーディスクは市販のUSBメモリなどに構築できますから、無くしてしまったら、ネットの情報などを参考に作成してみましょう。
フリーマーケットで売るのはアリ?
パソコンを売る方法には、店舗やメーカーによる買取以外にも、フリーマーケットやフリマアプリで売るということもできます。しかしパソコンのような複雑な機器は、売れたとしても使う側の知識が薄いと「うまく使えない、返品したい」といったケースにもなりがちです。100~1000円ぐらいで「ノークレーム」で売れれば良いですが、それなりの金額で売ると、買った相手もそれなりの動作を期待しますから、そのバランスを取るのに手間がかかる可能性があります。データ漏えいのリスクもありますので、できればパソコンの個人売買は避けた方が無難でしょう。
NEC Directでは買い取り、買い替え、リサイクルに対応
NEC Directでは、今までご利用いただいていたパソコンに対して、
・NEC製パソコンの買取
・NEC Directでパソコンを購入する際の下取り(NEC製、他社製も含む)
・リサイクルのための回収(NEC製のみ)
といったサービスを用意しています。
買取サービスは事前に買取額(上限)をホームページ上で確認できます。引き取りは自宅まで来てくれて梱包不要、引取り後のデータは完全消去してくれます。引取り後、傷等が確認されると減額されることもあります。
パソコンを購入する場合は、下取り(パソコン買い替えサービス)をしてくれます。この場合は、NEC製だけでなく他社製も対象になります。来店や持ち込みは不要で、引き取り手数料も無料です。ありがたいのはNEC Directで新しいパソコンを購入後、最長60日後でも買い替えサービスを申し込めることです。つまり古いパソコンと新しいパソコン2台を同時に自宅などに置いておけるので、データの移行などをゆっくり行えます。さらに買い替えサービスを利用すると、NEC Directサイトで利用できるポイントも付与されます。
なお、NEC製パソコンの回収サービスもあります。これは一般の回収サービスと同等の手順で行えます。PCリサイクルマークがあれば無料、なければリサイクル費用としてデスクトップ本体、ノートパソコンならば、3300円(税込)が必要です。
古いパソコンの処分に困ったら、ぜひNEC Directのサービス活用をご検討ください。
NEC Direct 買い取り・リサイクルのご紹介
https://support.nec-lavie.jp/recyclesel/