液タブ・板タブ(ペンタブ)はどっちが良い?
メリット・デメリットや選び方を解説
2024.11.08(FRI)
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液タブ・板タブはプロも使用するデジタルイラストの制作に必要なデバイスです。液タブは直接イラストを描き込み、板タブはパソコン画面を見ながら描き込みます。どちらを選ぶかは好み次第です。また、本体のサイズや機能性で使い勝手が異なるので、選ぶ際のポイントを把握しておかなければなりません。この記事では、液タブ・板タブの特徴やそれぞれのメリット・デメリット、選び方などについて解説します。ぜひ参考にして下さい。
目次
液タブ・板タブ(ペンタブ)の違いとは?それぞれの特徴を解説

液タブと板タブはどちらもイラスト制作に使用するデバイスですが、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
液タブの特徴
液タブは、専用のデジタルペンで液晶パネルにイラストや漫画を直接描き込めるペンタブレットです。液晶が付いているため、描いた内容をリアルタイムに確認でき、自然な感覚で絵を描けます。ブラシや消しゴム、トーンなども手元を確認しながら作業を進めることができます。液タブには液晶画面が付いていますが、多くの場合、パソコンと接続して使用しなければなりません。
板タブ(ペンタブ)の特徴
板タブは、パソコンの液晶画面を見ながら板状のタブレットにデジタルペンで書き込むペンタブレットです。板タブ自体には画面がないため、必ずパソコンが必要になります。マウスを動かすような感覚に近いですが、マウスが現在地を基準にして位置を表す相対座標なのに対し、板タブは絶対座標として位置を検出します。また、板タブは軽量で持ち運びやすく、価格も液タブに比べて手頃です。そのため、デジタルアート初心者からプロまで幅広いユーザーに利用されています。
液タブ・板タブ(ペンタブ)の値段は?3万円で購入できる?
液タブと板タブの価格相場は異なります。液タブは液晶パネルが搭載されているため価格が高めです。例えば、高性能な液タブは10万円以上することが多く、エントリーモデルでも4万〜5万円程度が一般的です。一方、板タブは画面を持たないため、比較的手頃な価格で購入できます。入門モデルは1万円前後から購入可能で、3万円もあれば高機能な板タブを手に入れることができます。そのため、デジタルアートを試してみたい人にとっては、板タブの方が導入しやすいでしょう。
液タブ・板タブ(ペンタブ)のメリット・デメリットを比較!

液タブ・板タブには、それぞれメリット・デメリットがあります。これらを把握することで、どちらか選ぶ際の検討材料になります。
液タブのメリット
液タブのメリットは、デュアルディスプレイとして機能することや定規が使えること、角度を自由に変えられることです。液タブはパソコンの画面と併用するため、デュアルディスプレイとして利用できます。液タブを使うと、メインディスプレイで資料を確認しながら液タブで絵を描くことが可能です。
また、定規が使えるのもメリットの1つです。液タブ上に直接定規を置いて直線を引くことができるので、正確な線を描くことが容易になります。さらに、液タブは自由な角度で作業できる点も魅力です。液タブを回転させたり下向きにしたりすることで、自分の描きやすい角度で作業できます。このように、液タブはデュアルディスプレイ機能や定規の使用、自由な角度での作業ができる点で、イラスト制作において大変便利です。
液タブのデメリット
液タブのデメリットは、ペンの持ち手が視界を遮り、描画時に邪魔になりやすいことです。また、長時間使用すると液晶画面があたたかくなり、快適さが損なわれることもあります。手汗の原因になり、汗を拭き取る作業が発生することもデメリットです。
さらに、光の反射で画面が見づらくなることがあります。特に、窓際で作業する時は視認性を十分に確保できません。さらに、描き心地の調整が難しい点もデメリットです。具体的には、滑りやすさや摩擦感が調整しづらいなどが挙げられます。最後に、価格が高い点も見逃せません。液タブは一般的な板タブよりも高価であり、購入時に比較的高額な支出が必要です。
板タブ(ペンタブ)のメリット
板タブのメリットは、ペンの持ち手が邪魔にならないことや、描き心地をカスタマイズできること、価格が安いことです。板タブは、液タブのように画面に直接描くのではなく、別のディスプレイに表示されるため、イラスト全体を見ながら手元を自由に動かせます。さらに、紙などを乗せて書き心地をカスタマイズできる点も魅力です。例えば、コピー用紙やトレーシングペーパーを板タブの上に置いて描くことで、紙の感触を再現できます。また、価格が安いことも大きなメリットです。板タブは液タブに比べて低価格で手に入るため、初心者や学生にも手軽に利用できます。
板タブ(ペンタブ)のデメリット
板タブのデメリットは、慣れるまで描きづらいことです。板タブでは、手元に描いた線が直接見えず、別のディスプレイに表示されるため、最初は違和感を覚えるかもしれません。特に、細かな作業や精密な描画が求められる場合、視線と手の動きのズレに苦労することがあるでしょう。しかし、練習を重ねることでこのズレを克服することができます。手元と画面のリンクを自然に補正できるようになるからです。最初の慣れが必要ですが、習得すると板タブの軽快さや操作性を十分に活かすことができます。このように、板タブには慣れるまでの難しさがありますが、時間をかけて練習することで克服できます。
液タブ・板タブ(ペンタブ)共通の選び方

液タブ・板タブの共通の選び方は以下の通りです。
- 対応しているOSやソフトウエアを確認する
- 筆圧検知の精度を確認する
- 傾き検知機能の有無・精度を確認する
- スタイラスペンの性能を確認する
- 機能性を確認する(タッチ機能・スタンド機能など)
各項目を詳しく解説します。
対応しているOSやソフトウエアを確認する
液タブや板タブを選ぶ際には、対応しているOSやソフトウエアを確認することが重要です。製品によっては、Windowsのみ対応、あるいはMac専用のものがあります。また、使用するアプリやソフトの対応状況も製品ごとに異なるため、事前に確認が必要です。特定の画像処理ソフトを使用する場合、そのソフトが液タブや板タブと互換性があるかをチェックすることが大切です。こうした確認を行うことで、購入後のトラブルを避けられるでしょう。
筆圧検知の精度を確認する
筆圧検知の精度は、液タブや板タブを選ぶ際の重要なポイントです。筆圧検知機能により、描く線の太さや濃淡を自然に調整できます。筆圧検知の一般的な精度は1024段階から8192段階までと幅広いですが、本格的にイラストや漫画を描きたい人は8192段階を選ぶと良いでしょう。8192段階の筆圧検知があると、微細な筆圧の変化を正確に反映できるため、よりリアルに描画できます。趣味でイラスト制作をする程度であれば、4096段階などでも十分に楽しめます。このように、使用目的に応じて適切な筆圧検知の精度を選ぶことが大切です。
傾き検知機能の有無・精度を確認する
傾き検知機能も液タブや板タブ選びでは重要です。傾き検知機能があると、ペンを傾けることで線の角度や太さを自在に変えられ、より表現の幅が広がります。ただし、傾き検知の精度は数値で測れず、製品ごとに異なります。精度の悪い製品を購入してしまうと、思うような表現ができないかもしれません。そのため、実際に使ってみるかユーザーレビューを参考にすると良いでしょう。こうしたチェックを行うことで、より自分に合った液タブや板タブを選ぶことができます。
スタイラスペンの性能を確認する
スタイラスペンの性能は、液タブや板タブの使いやすさに影響します。電磁誘導方式を採用しているペンは、バッテリー不要で軽量化が図られており、長時間の作業でも疲れにくいです。また、サイドボタンの有無も確認しましょう。サイドボタンにショートカットをプログラムすることで、作業効率が向上します。さらに、グリップの太さやペンの重心などのカスタマイズ性も考慮するべきポイントです。自分の手に馴染むペンを選ぶことで、より快適に作業が進められるでしょう。このように、スタイラスペンの性能を確認することで、快適に作業できる製品を選択できます。
機能性を確認する(タッチ機能・スタンド機能など)
液タブや板タブの選び方では、機能性の確認も欠かせません。ファンクションキーが搭載されている製品は、頻繁に使う機能をワンタッチで呼び出せるため作業効率が上がります。タッチ機能も便利で、指で直接操作できるため直感的な操作が可能です。また、スマホやタブレットへの対応も確認しましょう。対応していると、出先でスマホと連携して作業する場合に便利です。さらに、スタンド機能も利便性に影響します。スタンドがあれば、安定した状態で作業でき、長時間の使用でも疲れにくくなります。これらの機能をチェックすることで、より快適で効率的な作業環境を整えることができるでしょう。
液タブを選ぶ際のポイント

液タブを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 液晶の解像度(フルHD・4K)
- 画面サイズの大きさ
- 応答速度の速さ
- 色域カバー率の高さ
各ポイントを具体的に解説します。
液晶の解像度(フルHD・4K)
液晶の解像度が高いと画像が精細になり、細かな部分やディティールを確認しやすくなります。液タブの液晶は、フルHD(1920×1080)や4K(3840×2160)など、製品によって解像度は異なります。特に、高精細な画像を映し出す4Kの解像度は、プロのイラストレーターやデザイナーにとって非常に有用です。ただし、液タブの解像度と接続するモニターの解像度が異なると画像に歪みが生じる可能性があるため、モニターが対応している解像度も事前に確認しておきましょう。
画面サイズの大きさ
液タブの画面サイズも選ぶ際の重要なポイントです。液タブは液晶画面に直接書き込むため、画面が大きい方が細かな部分を描きやすくなります。一般的な画面サイズは13〜24インチで、環境や用途に応じて選ぶことが大切です。サイズに迷った際は、16インチ程度の液タブがおすすめです。16インチは細かい作業も行いやすく持ち運びもしやすいサイズ感なので、幅広いシーンに対応できます。画面が小さ過ぎると、繊細な表現が難しくなる、画面に顔を近づける必要があり姿勢が崩れ疲れやすくなる、などの問題が発生します。
応答速度の速さ
応答速度は、ペンを液晶の上で動かした際に画面に反映されるスピードのことです。応答速度が遅いと、描画時に遅延を感じスムーズに描けません。例えば、描いた線がペンの動きに遅れて表示されると、作業効率が低下します。一般的には25ms以下の応答速度であれば、遅延を感じずに快適に作業ができるとされています。応答速度が速い液タブを選ぶことで、ストレスなく作業を進めることが可能です。液タブの応答速度を確認し、快適に使用できる製品を選択しましょう。
色域カバー率の高さ
色域カバー率は、液タブを選ぶ際に重要なポイントです。色域カバー率が高いと、液タブ上で表示される色がより正確に再現されます。例えば、印刷した際に思い通りの色が出ない場合、色域カバー率が低いことが原因です。色域規格にはsRGBやAdobe RGBなどがあり、一般的に90%以上の色域カバー率が推奨されます。ただし、パソコン側で色を調整する場合はそれ程気にする必要はありません。色域カバー率の高い液タブを選ぶことで、より正確な色再現が可能となり、作品の質が向上します。
板タブ(ペンタブ)を選ぶ際のポイント

次に、板タブを選ぶ際の以下のポイントを解説します。
- 入力範囲
- 描き心地
- ワイヤレスに対応しているか確認する
快適性に影響する要素ばかりなので、ぜひ製品選びの参考にして下さい。
入力範囲
入力範囲とは、板タブでイラストなどを書き込める範囲のことです。入力範囲がモニターに近いサイズだと、描画時の違和感が少なくなります。反対に、モニターと板タブの入力範囲が大きく異なると、描いた線が思った場所に表示されず、ギャップを感じることがあります。ノートパソコンで使用する場合、10インチ以上の入力範囲を選ぶと良いでしょう。これにより、自然な描き心地が得られて作業効率が向上します。パソコンのサイズに合った入力範囲の板タブを選ぶことで、快適に漫画やイラストを制作できるでしょう。
描き心地
板タブの描き心地は紙を置くことなどで調整できますが、そのまま使いたい場合は素材や表面処理をチェックしましょう。板タブの描き心地には、ざらざらして引っ掛かりのあるものや、さらさらして滑りやすいものがあります。ざらざらしている製品は線がブレやすいですが、さらさらとした製品はペンの動きがスムーズで、思い通りに線を引くことができます。そのため、極力さらさらとした描き心地の板タブを選ぶことで、ストレスを感じずに作業が進められるでしょう。このように、描き心地の違いを理解し、自分に合った製品を選ぶことが大切です。
ワイヤレスに対応しているか確認する
板タブは製品によって有線接続のみとワイヤレスに対応している場合があるため、必ずチェックしておきましょう。基本的には有線接続が主流ですが、ワイヤレス接続に対応している製品もあります。ワイヤレス接続に対応している板タブであれば、配線が不要なためデスクをすっきりと使うことができます。移動が多い人やデスク周りを整然と保ちたい人には、ワイヤレス接続の板タブがおすすめです。接続方式を確認し、使用環境に合った製品を選ぶことで、より快適な作業環境を構築できます。
液タブ・板タブ(ペンタブ)のよくある疑問
ここでは、液タブ・板タブ(ペンタブ)のよくある以下の疑問について回答します。
- 液タブ・板タブ(ペンタブ)初心者はどっちを選べば良い?併用もOK?
- プロの漫画家は液タブ・板タブ(ペンタブ)どっちを使用している?
- 液タブ・板タブ(ペンタブ)を使うパソコンのスペックは?
- お絵描き程度なら「iPad」や「Androidタブレット」を液タブ・板タブの代わりにできる?
それぞれ詳しく回答していきます
液タブ・板タブ(ペンタブ)初心者はどっちを選べば良い?併用もOK?
初心者は、液タブ・板タブどちらを選ぶべきか悩むこともあるでしょう。コスト面では板タブの方が安価なので、初めてペンタブを試す場合は板タブが手軽な選択肢といえます。一方、使いやすさを重視するなら、直接画面に描き込める液タブが良いでしょう。液タブは直感的な操作が可能で、特に絵を描く初心者にとっては描きやすいです。予算に余裕があるのなら、両方を併用して自分に合う方を見極めるのも良いでしょう。
プロの漫画家は液タブ・板タブ(ペンタブ)どっちを使用している?
プロの漫画家やイラストレーターには、液タブを使っている人もいれば、板タブを使っている人もいます。どちらか一方を選ぶことでプロになれないということはなく、自分の作業環境に合った方を選択すれば良いでしょう。一般的な意見としては、姿勢の自由度が高い板タブは、長時間の作業でも疲れづらいため、毎日イラストを描くプロに適しているという声があります。また、細かい線画を描く際には、液タブの方が効率的だという意見もあります。このように、プロの漫画家でも使用するツールは異なるため、自分のニーズに合わせて選ぶことが重要です。
液タブ・板タブ(ペンタブ)を使うパソコンのスペックは?
液タブ・板タブを使う際には、パソコンのスペックも確認する必要があります。推奨スペックの目安は以下の通りです。
項目 | 推奨スペック |
---|---|
CPU | Intel Core i5以上 AMD Ryzen 5シリーズ以上 |
メモリ | 16GB以上 |
ストレージ | SSD 256GB以上 |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce GTX 1650以上 |
これらのスペックを満たすことで、画像処理や描画の際の動作がスムーズになります。スペックが不足すると、ペンの動きやスクロールが遅延して作業がしにくいため、推奨スペックを確認して快適な作業環境を整えましょう。
お絵描き程度なら「iPad」や「Android™ タブレット」を液タブ・板タブの代わりにできる?
iPadやAndroid™ タブレットでも、漫画やイラストを描くアプリをインストールすれば問題なく絵を描けます。中には本格的な作品制作に使えるアプリもあるので、プロの中にもタブレットでイラストや漫画を描いている人もいます。ただし、アプリの選択肢が少なかったり、グラフィックデザインやアニメーションは描きづらいなどの制約があるので注意が必要です。しかし、お絵描きや趣味程度であれば、動画鑑賞やゲームなど多用途に使えるタブレットはコストパフォーマンスに優れたおすすめの選択肢です。
手軽にデジタルイラストに挑戦したい人におすすめ!NECの人気タブレット

NECは、イラスト制作にも活用できるタブレットを販売しています。ここからは、NECのおすすめタブレットを紹介します。
大画面プレミアムタブレット「LAVIE Tab T11」

LAVIE Tab T11は、大画面でイラストや漫画を書きやすいプレミアムタブレットです。11.5型ワイドのディスプレイなので、細かな部分も表現しやすく快適に絵を描けます。有機ELパネルを採用しているので、精細で色表現豊かな画像を楽しめます。また、最大120Hzのリフレッシュレートに対応しているので、作業中のスクロールなどもスムーズです。筆圧や傾き検知に対応したデジタルペンも使用できるので、初めてのデジタルイラスト制作にも十分に活用できます。大きな画面と美しいディスプレイで絵を描いてみたい人におすすめです。
OS | Android™ 12 |
---|---|
CPU | MediaTek Helio G99 2.2GHz(2コア)+2.0GHz(6コア)(計8コア) |
メモリ | 4GB |
ストレージ(SSD) | 約128GB |
外部インターフェイス | ・USB 2.0 Type-C×1(クライアント機能、OTG対応、充電兼用) ・micro SDメモリーカード×1 ・ヘッドフォンステレオ出力(マイク入力共用)×1 |
画面サイズ | 11.5型ワイドLED 広視野角液晶 |
重量 | 約520g |
液タブ・板タブ(ペンタブ)は使用目的を明確にして選ぼう!
液タブ・板タブは、デジタルイラストを描く際に必要なツールです。液タブは液晶に直接書き込めるため違和感が少ない点がメリットですが、価格が高く、ペンの持ち手が邪魔になるなどのデメリットもあります。一方、板タブは価格が安く、持ち手も邪魔にならず描き心地もカスタマイズできるなどがメリットですが、慣れるまで時間がかかることがデメリットです。自分の環境や好きなイラストレーターなどを参考に、好みの製品を購入しましょう。趣味程度で気軽に初めてみたい人は、タブレットを選択するのもおすすめです。
NECでは、イラストや漫画制作にも使用できる高性能タブレットを販売しています。公式サイトでは、クーポンの発行や旧モデルお買い得セールなどを定期開催しているので、興味のある人はぜひチェックしてみて下さい。
NEC LAVIE公式サイトはこちら